1971 エヴリンが墓から出てきた夜(イタリア)

La notte che Evelyn uscì dalla tomba

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監督 エミリオ・P・ミラリア
製作 アントニオ・サルノ
脚本 ファビオ・ピトール
   マッシモ・フェリサッティ
   エミリオ・P・ミラリア
撮影 ガストーネ・ディ・ジョバンニ
音楽 ブルーノ・ニコライ
美術 ロレンツォ・バラルディ

配役
アントニー・ステファン(アラン・カニンガム卿)
マリナ・マルファッティ(グラディス)
エンゾ・タラスチオ(ジョージ)
ジャコモ・ロッシ・ステュアート(リチャード医師)
ウンベルト・ラーオ(ファーリー)
ロベルト・マルデラ(アルバート)
ジョーン・C・デーヴィス(アガサ叔母)
エリカ・ブラン(スージー)

製作会社 フェニックス・シネマトグラフィカ

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 妻エヴリンの死後、精神病院に入っていたアラン卿。退院すると、エヴリンと同じ赤毛の娼婦を郊外の城に連れ込んでは、サディスティックに苛んだあと殺していた。強迫観念から解放されるために交霊術を催すが、エヴリンの霊が現われたのを見て失神する。アランは赤毛のストリッパーのスージーを城に連れ帰ったが、抵抗にあい逃げ出されてしまう。

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 エヴリンを忘れるために、アランはパーティーで出会った金髪美女のグラディスと結婚する。だが、グラディスは城内で赤毛の女を見かけたと言い、アランも遠くから自分に呼びかけるエヴリンの姿を見る。エヴリンの兄アルバートや叔母のアガサが、手袋を嵌めた何者かに残酷な仕方で殺される。アランはエヴリンの死を確かめるために霊廟に行く。

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 遺体を確認して霊廟を出たアランの前に、棺から起き上がって出てきたエヴリンの死体が現われる。アランは驚愕して昏倒する。翌日アランは主治医のリチャードに連れられて精神病院に戻る。アランが禁治産者となった場合、カニンガム家の財産のほとんどはジョージとグラディスが相続することになる。

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 アルバートとアガサを殺し、アランを狂気に追いやろうとしたのは、ジョージだった。彼は共犯のグラディスに毒を飲ませ、もう一人の共犯だったスージーを刺し殺すように仕向けた。しかし、邪魔者をすべて片付けたかに見えたジョージの前に、リチャードと正気のアランが現われ、格闘の末プールに突き落とされた彼は警察に捕まる。

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 日本未紹介だが、アメリカでは一部のマニアの間で、カルト的な人気を博している作品。ゴシックホラーの雰囲気とジャーロ的な展開をあわせ持ち、ゴシック・ジャーロというジャンルを切り開いた作品と評価される。ゴシックの雰囲気といってもそれほど濃いものではないが、実際の古城(どこだろう?)でロケを行っているため、演出以上の見応えを与えられる。眼が退屈しない作品である。

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 アランがグラディスと出会うあたりで、物語の方向性が大きく変わっている。初めはアランの娼婦殺しに焦点が合わされているのだが、グラディスが出て来てからはそんなことはなかったかのように、遺産を狙ったジョージの犯罪に話が変わっているのである。前半からすると、浮気していたエヴリンをアランが殺し、それから狂気に陥ったのだろうと想像されるのだが、その辺りの事情はうやむやになってしまっている。

16.png最初の娼婦殺しでは直接的に殺人は描かれていない。

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18.pngアルバートやアガサの殺人は直接的に描かれている。

 エリカ・ブラン演じるストリッパーの役割もあいまいで、ジョージの共犯だったというのだが、城に誘われてアランに殺されかかることに、何の意味があるのかも分からない。中間段階のラッシュを見たプロデューサーから「こんな内容じゃ売れん」とダメ出しされるかして、当時流行し始めたジャーロに途中から方向転換したのではあるまいか。ゴシック・ジャーロというのも、そういう事情による偶然の産物という気がしてならない。

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 一部マニアによる評価は過大と思うが、先にも言ったように眼を喜ばせてくれる作品ではある。城の外観、内装、調度、絵画などを観ているだけでも退屈しない。イギリスが舞台という設定だが、IMDbのユーザーレビューを見ていたら、「これは絶対イギリスじゃない。イギリス紳士はこんな派手なシャツを着ない」というコメントがあって面白かった。

20.png現代的な建物が背景だったら何の変哲もないシーン。



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